Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
三
「喉がね、渇いてるんでね」
「おれは誓って云うがきさまを殺してやる、引摺り出して、この手でこう絞め殺して、躯じゅうをめちゃめちゃに踏みにじってやる、こうこう、こう」
彼はずしんずしんと足踏みをした。怒りのあまり狂人のようになって、仮想の万三郎を踏みにじっている姿がこれまた鮮やかに見えるようであった。
「いいか本当にこうだぞ、きさまなんぞいずれは殺される人間なんだ、おれがちょっとそういうつもりになれば今が今だってぶち殺してやれるんだ、威かしだなんて思ったら大きな間違いだぞ、わかったか」
「わかったよ、よくわかった」
「そんなら黙れ、黙っておとなしく寝ろ」
「ああ、そうするよ」
「騒がずに寝るか」
「騒がずに寝るよ」
「きっとだな」
「きっとだよ」
相手はちょっと沈黙し、それから念を押すように云った。
「そんなことを云って、また騒ぎだすつもりじゃないだろうな」
「そんなつもりはないさ」
と万三郎が云った。
「だがねえ、喉が渇くんだよ」
「ひい、――」
慥かに「ひい――」という声であった。おそらく逆上したのであろう、だっだっだっと仕切戸を殴りつけ、
「おい鍵を出せ」
と小さい権兵衛にどなった。