Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

三

そう云って隣りのほうへたち去った。

「どうした半次」

徹之助は少年に云った。

「用はなんだ」

「用じゃないんです、お嬢さんからちっとも知らせがないんで、もしかしたらこっちへ来ちゃったのかと思ったもんで」

「つなから沙汰がない」

徹之助は訝しそうに云った。半次はこくっと頷いた。

「あの晩増六から帰ったきりで、そのときはちゃんと送っていったんだけど、それから一遍もなんの知らせもないんです」

「なにか変ったようすはなかったのか」

「べつにそんなことはありません。こっちへ来てるんでもないんですか」

徹之助は首を振った。

「いったいどうしたんですか」

わけがわからないので、万三郎が訊いた。徹之助はなにか考えているようであったが、やがて顔をあげて云った。

「つなは榊原主膳という、宇田川町の旗本の家に身を寄せている、榊原は休之助の友人なんだ、そこで大久保邸の休之助と連絡をとることになっていたのだが」

「消息を断ったというのですね」

万三郎は坐り直した。

「私がいってみましょうか」

三

「いやそれはいけない」

徹之助は首を振った。

「榊原は休之助の友人ということで、やっぱり敵に監視されている、つなは火急のばあいだったし、ほかに適当な家がなかったので、とりあえず身を寄せたのだが、外部からうっかり近づくわけにはいかないのだ」