Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
五
「じつはこなたに話したいことがあるのだ」
と坐り直し、心を鬼にして、林市郎兵衛の死を告げた。
五
徹之助の話を半ばまで聞いて、八重はさっと蒼くなり、全身がぶるぶると震えだした。
「まことに、なんと申しようもない、――」
頭を垂れて徹之助が云った。
「その場は無事に斬りぬけながら、追手の放った一発の弾丸で斃れたとのことだ、不運というほかはないが、――われわれはじめ、当人も死は覚悟していた。わかってくれるか」
「――はい、わかります」
八重は微笑しようとした。唇で、けんめいに微笑しようとしながら、頷いた。
「――自分でも、紀州へまいるときに、そう申しておりました。生きて帰ることはできないかもしれない、生きて帰ろうとは思っていない、――そう申しておりました」
そう云いかけたとき、彼女の眼から、涙がにわかにこぼれ落ちた、それをぬぐおうともせず、唇ではやはり微笑しようとしながら、八重は低い声で続けた。
「おまえもその覚悟で、もし自分が骨になって戻ってもとり乱すようなことをしないでくれ、――万一武運に恵まれて、生きて帰れたら、そのときは、……そのときは婚礼の式を」
声が喉に詰った。