Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

四

徹之助はにわかに緊張した。

「すると、灯をつけない舟が三ばい、水音を忍ぶように入ってまいりました」

「水門の番士になにか云わなかったか」

「申したかもしれませんけれど、でも、番士からすぐに知らせたのでしょうか、舟が着きますと同時に、御殿のほうから提灯を持って、五人ばかりの人が駆けつけてまいりました」

「そして、その舟の者たちは」

「全部でおよそ十二三人でございましょうか、提灯の光りでちらと見えただけですけれど、お一人だけ、際立って立派な服装の方がいらっしゃいまして、舟からあがるとすぐに、他の方々が、その人を護衛するように取囲み、なかの一人が、

――お屋形さまであるぞ、粗忽するな。

と申されますと、迎えに出た人たちは、地面へ膝をついて平伏しました」

「そうか、そうか、――」

徹之助は昂奮して、片手で自分の膝をきっとつかんだ。

――いよいよ来た。

と彼は思った。

――左近将監だ。

幕府の硬化と、加波山、田辺の焼打ちとで、左近将監頼興が江戸へ来た。おそらく大勢挽回のためであろう、さもなければ、かねて通謀している大名と、江戸でなに事か起こすためかもしれない。いずれにもせよ、その情況から判断して、頼興だということに間違いはないと思った。