Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
十
石塁の脇をまわって来る、人のせかせかした足音を聞いたのである。そして、彼が立ちあがるのと同時に、休之助が現われて、危なく二人はぶっつかりそうになった。
「ああ、吃驚した」
万三郎はかよを背中で庇いながら、かよに向って「早く隠れろ」というふうに手を振った。
「休さんですね、どうしました」
「どうしたとは、こっちで云うことだ」
休之助は肩で喘いだ。
「こんな処でなにをしていた」
「まあそうどならないで下さい」
「なに、どならないでくれって」
休之助はいまにも噛みつきそうに、歯を剥きだし、眼を怒らせて喚いた。
「敵はすっかり片づいた、騒ぎはすべておさまった、人数を調べてみるときさまがいない、呼んでも答えはないし見た者もない、てっきり斬られたと思った、死んでいるか、それとも重傷で動けないか、そう思うとおれは、――夢中で捜しに駆けまわっていたんだ、それなのにきさまは、こんな処で暢気な面をして、おまけに云うことが、どならないでくれ」
「お願いです休さん、どなるまえにこれを見て下さい」
万三郎はそう云って、静かに躰を横にひらき、倒れている半兵衛の死躰を見せた。
かよはすでにいなかった。