Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
二
「だってそう思うわ、うちの姐さんにもよくして下さるし、あたしを鬼六から助けて下さるし、ここのお宅だってやっぱり岡さまのおかげだし、――あたしそんな人って初めてよ」
二
「そういえばそうね」
「そういえばって、――世間はずいぶんせち辛いのに、そんな人がいるなんてふしぎに思わない、おかみさん」
「はいお銚子あがりました」
おかみさんは、徳利を出して女中に渡し、それから筆を取りながら云った。
「ほんとに、そう云われてみればそうだわね」
「あら、同じことばかり云って」
「だって気がつかなかったんだもの、あたしたちは長いこと御贔負になって来たし、この頃ではもうお世話になるのがあたりまえみたいになっているもんでね、――そういえば松吉さんだって、あんなによく面倒みてあげていながら、まだいちどもわけがないなんて、いくら通人にしてもちょっと珍しいと思うわね」
「よっぽど御大身のお武家さまなのね、――それともお忍びのお大名かしら」
「まさか、いくらなんだってお大名ってこともないだろうけれど、でも相当御大身だということは慥からしいわ」
「あたしもいちど、お眼にかかってみたいわ」
そんな話をしているところへ、松吉が二階からおりて来た。