Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
四
「われわれは斬る」
休之助が冷たく云った。
「斬らずにはおかないが、親兄弟があるなら死躰だけは渡してやりたい、だから、どこのなに者かを云うがいい、――もし云わなければ谷へ捨てるまでだ」
「おら、――おら云わねえ」
曲者の声はふるえだした。
「云うもんか、そんな、おどかしたって誰がそんな」
「――刀を取ってくれ」
休之助が云った。つなが刀を持って来ると、それを左手に持ったまま、曲者の顔をじっと見まもった。
「おどかしでないわけを云って聞かせよう、いいか、そのほうはわれわれを謀反人だと云ったな、そう信じているんだな」
「おらちゃんと知ってるだ、みんな聞いて知ってるだから」
「では私からも聞こう、そのほうは忍び支度をしている。そのほうの仲間にも、こんな支度で観音谷の仕事をしたり、山霊のまねをして村人たちをおどかしたりしている者があるだろう」
曲者は黙っていた。
「なぜそんなことをするのか、考えてみたことはないか」
と休之助は続けた。
「観音谷には鉄砲や弾薬が大量に隠されている。これは幕府の禁制を犯すものだ、そのくらいのことはそのほうにもわかるだろう」
「いや違う、あれは幕府御用のものだ、危険な物だから山の中に納めて置くだ」