Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
二
――これは危ないぞ。
そう気がついたとき、万三郎は自分が酔っているのを知った。
「お側へいってもいいわね」
女はそう云って立ち、少しよろめくけはいで、万三郎の側へ来て坐り、しんなりと凭れかかった。酔いのために躰温の上った躯から、若いからだの匂いが、香料といっしょに咽せるほど強く、あまく匂った。
「こうするといい気持」
万三郎の肩へ頭をのせながら、女はうっとりと眼をとじた。
「あなたの温たかさがしみてきて、躯じゅうが痺れるようだわ」
「だいぶ手厳しくなるね」
「抱いてちょうだい」
女は万三郎の手を捜して、それで自分の躯を巻かせた。女の重みがもっと柔らかく彼のほうへかかってきた。
「そんなお義理じゃなく、もっとぎゅっと抱いて」
「ますます手厳しいな、こっちも生身の躯だぜ」
「あらそうかしら」
女はつと手を伸ばした。万三郎は吃驚してその手を押えた。
「生身かどうか証拠をみるのよ」
「ばかなことを云え」
「あら震えてるの」
女はからからと笑った。
二
「もうわかったよ」
彼は女を押しやった。
「そのくらいからかえば気が済んだろう、そろそろ用談にかかろうじゃないか」
「いやあ――」
女は鼻をならし、身を揉みながら縋りついた。