Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「すると三郎はいま、その下男の虎造と飲んでいるわけだな」

「相手はすっかり信用して、そろそろ屋敷の中へ呼ばれそうだということです」

「もうそんな必要はないんだ」

休之助はずけずけと云った。

「必要がないんですって」

「荷駄の内容もわかったし、古木邸から運び出してゆく貯蔵庫の所在も見当がついた、今夜にでも此処をひきはらわなければならないんだ」

「それは本当ですか」

又平はあっけにとられた。

「荷駄の内容も、貯蔵庫の在り場所も、――いったいどうして」

二

休之助も自分のほうの事情を話した。又平は聞いていて、頭がちらくらするようであった。

荷駄のなかみが鉄砲と弾薬だということは、さして驚きはしなかった。なにか武器の類だろうとは、誰もがおよそ推察していたが、追手との関係や、炭焼き小屋での話、山霊の哭き声などに至っては、すっかり胆を抜かれたかたちだった。

「すると、そ、そこに」

と又平は吃った。

「つまりそこに、貯蔵庫があるというわけですね」

「山霊というのは人を近寄らせないための作りごとだ、妖怪退治だと云って、三度も若者たちがでかけてゆき、中でただ一人だけが生きて帰った、その若者が山霊の姿を見ている、つまりその若者の口から、山霊のいることを語らせるために、わざとその者だけ無事に帰らせたのだ」