Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
四
また、おちづが世間の娘とは違った生活をして来て、少しでも怪しいと思うことがあると、敏感にそれを感じ取る習慣が身についていたからでもあろう。
――なにか普通じゃないことがある。
おちづはそう直感した。
――自分たちや船宇の人たちへの親切さや、おっとりしたあの人柄の裏に、なにか隠していることがあるに違いない。
そういう疑惑がつよく起こった。
もちろん、それはそれだけのことで、だからどうしようというのでもなかった。
「でもあたしなんかの知ったこっちゃないわ」
と独りで呟いた。
「姐さんやあたしはお世話になってるんだから、なにかあるにしたって知らん顔をしていればいいんだわ」
暫くお内所で、散らかった物を片づけたりしていたが、すぐに、なにもすることがなくなった。升屋には遊び相手もいないし、ぼんやり坐っていられる性質でもない。
「お庭へ出てもいいでしょ」
女中の一人にそう云った。
「木戸のこっちだけよ」
とその女中が注意した。
「木戸から中へ入っちゃだめよ、鳥舎へいってごらんなさい、鳥がみんな眠っているから、それでも見て来るといいわ」
おちづは庭へ出ていった。
鳥舎は木戸の近くにあった。