Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

六

「その点なんです」

と万三郎は蔵人のほうへ眼をやった。

六

「この男の話によると」

と万三郎は云った。

「老中から紀伊家に向って、沿岸に異国船の補給港があるという申入れをしたところ、大殿がすぐに査察使を出したというんですが、大殿といえば宰相(徳川治宝)さまでしょう、ところで、話のなかにお屋形というのが出ました」

「お屋形といえば、和歌山に御在城の左近将監(頼興)さまのことだろう」

「その人がくさいんです、もっとその男の口を割らないとわからないが、どうやら朱雀事件の首謀はその人の帷幄にあるらしい、そんなような口ぶりでしたよ」

「それが事実ならなによりだ」

休之助はふと眼をつむり、顔を仰向きにして、なにか祈りでもするように云った。

「万一にも宰相さまであったらと、それがなにより心配だった、しかしお屋形さまであってくれれば助かる、紀伊家五十万石のためにも、天下のためにも、――」

万三郎もちょっと頭を垂れた。

――養子にいった身でも、やっぱり主家となれば大事なんだな。

当然のことではあるが、兄の心のなかにある真実に触れたように思って、万三郎は少しばかり感動した。

「これ以上はあとのことにして、差当り観音谷の始末をつけませんか」