Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
五
おちょぼ口で、眼が細く、眉毛のやや尻下りな顔つきは、下町育ちというより、どこかの田舎の大地主の娘といったふうな、やぼったさとおちつきが感じられた。
「貴女のことは林から聞いていました」
お互いの挨拶もそこそこに、徹之助が云った。
「少し事情があって、悠くり話している暇がないのですが、なにか変ったことでもあったのですか」
「はい、お知らせすることが二つございます、一つはお坊ちゃまが急に御病気におなりなさいまして、医者のはなしではかなり重いということでございます」
「それは松之助のことですね」
八重は「はい」と云った。まだ屋敷奉公に馴れない者の「はい」である。徹之助は自分の子のことなどどっちでもいいという顔つきで、次を促した。
「もう一つというのは、――」
「こちらに花田万三郎さまという方がいらっしゃるでしょうか」
「おります」
「その方が下総のほうへおいでになりましたでしょうか」
「ゆきました」
「それは危のうございます」
八重は不安そうに云った。
「そのことがわかって、小田原河岸のお屋敷から、かよという女の人と、侍が五人、追手になってゆきました」
「かよ、――という女、ですって」