Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
二
ほかの連中が喚きだした。
少しまえから、向うの家の軒下で、一人の少女がこのようすを見ていた。半次のあとから、見え隠れに跟けて来て、そこでようすを眺めていたのである。
年は十三四とみえる。やはり継ぎだらけの、脛の出るほど短い着物に、色の褪せた赤い三尺帯をしめ、藁草履をはいていた。髪は少し赭いが、色の白いおもながな顔は、眼鼻だちがはっきりしていて、品はいい。いかにも勝ち気らしかった。
彼女は軒下から出て来た。
二
「やっちまおうじゃねえか」
「やっちまえやっちまえ」
少年たちが殺気立って喚いた。ようやく殴りあいの気勢になったらしい、そこへ少女がすばやく割り込んだ。
「半ちゃんをどうするのさ」
少女は半次を背に庇った。
「ちい公ひっこんでろ」
半次がどなった。
「てめえの出る幕じゃあねえ、女なんぞの出る幕じゃねえんだ」
「半ちゃんをどうするのさ」
ちい公は構わずに叫んだ。半次が押しのけようとすると、右手でその腕を掴んだ。育ちざかりの年頃で、少女のほうが背も高く、気が立っているから力も出るらしい。半次の腕をぐっと掴んでおいて、
「あたしは半ちゃんの友達で仲町のおちづっていうもんだ、この人は用があって井伊さまのお屋敷へゆくんだよ、井伊さまのお屋敷に御用があってゆくのに通さないっていうのかい、誰だい通さないっていうのは」