Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
三
「へえーそうですか」
万三郎は万三郎で呆れた。
「それでつまり、貴女のことも怒っているというわけですね、呆れ返った朴念仁だ」
三
「自分の兄だがまったく朴念仁の金仏だ」
と万三郎は続けた。
「じつは花田の兄ともいつか云いあったんですがね、花田の兄も同じような不人情なこと云いましたよ、――つなさんは自分の始末くらいできる娘だ、仕事が第一だ、第一は仕事だ」
「そのとおりでございますわ」
「なんですって」
「お兄さまたちの仰しゃるのが本当だというのでございますわ」
「ばかな、貴女までがそんな」
万三郎はどしんと足踏みをした。
「それはまあ、貴女がそう云うのは自分のことだからいいかもしれないが、まだ年の若い女の貴女が危険なめにあっているのに、大の男どもが任務が大事だからといって、平気で見殺しにするなんて人間じゃありません、そんなやつは私は大嫌いです、そんな不人情な人間に大事な任務がはたせるわけがありません」
「そんなふうに仰しゃっても、わたくしは少しも嬉しくはございません」
つなは冷やかに云った。
「万三郎さまは、お兄さまたちを薄情とか不人情とか仰しゃる、任務よりも人間の命のほうが大切だと仰しゃる、それはそうかもしれません、あなたは人情に篤くっていらっしゃるかもしれませんわ、ことに、――かよわい女にはね」