Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

風の街道

一

へ客になってあがった。女中に心付をやって、ちょうど万三郎たちのいる座敷と、向きあった離れにとおり、そこでなりゆきを見ていたのである。万三郎がとび出したとき、助勢に出ようとしたが、石黒半兵衛という難物が現われたので、その騒ぎの鎮まるのを待っていた、ということであった。

「どうもお手数をかけて済みませんでした」

「礼は半次に云って下さい」

兵馬は軽く笑って、

「それで、つなさんの手掛りがつきましたか」

「いやだめでした、あの女は本当に知らないらしいんです、つなのことばかりでなく、肝心なことはあの女はなにも知らないようすでした」

「敵もさる者ですか」

兵馬は唸るように云った。二人は暗い御成り道を、東へ向っていそいだ。

風の街道

一

この世に生きていると、人間はいろいろ思いがけない経験をする。それらは善かれ悪しかれ、好ましいものも好ましからざるものも、人間の成長を助け、人格を向上させるものだそうである。

花田万三郎は長崎から出てきて、まだ僅かな日数しか経たないのに、ぜんぜん想ってもみないような、多岐多端な出来事を経験して、それらがあまりに多岐多端であり、いちどきの経験であるために、すっかり戸惑いをしてしまった。