Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

五

吹雪の中であり、足場が悪かった。

三人の一人に躰当りをくれ、殆んど同躰に倒れたが、すぐにはね起きた万三郎は、相手から奪い取った刀を持っていた。

「つなさん、――」

彼は声いっぱいに叫んだ。

五

万三郎がつなの名を呼んだとき、敵の一人が斬ってかかった。

万三郎はそれより早く、左へ躱しながら、元の場所へ走っていった。するとそこに、つなが短刀を抜いて立っているのを見た。

蓑と笠を衣た姿で、凛と立って、短刀で青眼に構えていた。二人の侍が左右から刀をつきつけていたが、近寄れないようすであった。

――石黒半兵衛はどうしたか。

見ると意外なことには、そちらでも激しい斬合いが始まっていた。動きまわる松明の火と、吹き巻く風雪とではっきりしないが、敵はおよそ十人ばかり、なかの五人は松明を持っているのでわかる。あとの五人ばかりが、刀をふるって、誰かを取詰めていた。

「斧田だ、――つなさん」

万三郎は反射的に叫んだ。すると同時に、向うで叫ぶ声がした。

「三郎、こっちは引き受けたぞ」

万三郎はあっと云った。

――甲野の兄だ。

まさに休之助の声である。三郎という呼び方も、その響きの強い声も、休之助のものに紛れはなかった。