Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

三

「なんですって」

「そのことを休之助にいさまから申上げてなかったのでしょうか」

万三郎は喉をごくりといわせ、それこそ穴のあくほども強く相手を見まもった。

「しかし、それは本当ですか」

「だって現にこうして、わたくしが此処にいるではございませんの」

女はそっと微笑した。

「父も姉も、休之助にいさまも、みんな無事でございますわ、それはもう御存じだと思っておりました」

「いいえ知りません、そう聞いてもまだ信じられないくらいです、いやそうじゃない、みなさん焼死なすったということのほうが信じられなかったんですが、いま貴女にそう云われて、却ってみなさん無事だというほうが信じられなくなったんです」

「此処にいるつなもですの」

女はうわ眼づかいに万三郎を見た。

三

万三郎は云った。

「もちろん、貴女がつなさんだということは信じましょう。私はお会いするのが初めてだし、貴女がそう仰しゃるからにはつなさんに相違ないと思うんですが、――ではあの日、私にこの増六へいって待つようにと、少年にことづけたのも貴女なんですね」

「ええもちろんわたくしでございますわ」

「しかし貴女はいま、私が火事のことを知っていると思った、と仰しゃったでしょう、それならことづけをする必要はない筈じゃありませんか」