Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

四

骨の節ぶしが抜けるようであったが、頭は少しずつおちついてきた。

「そうだ、ひとつ考えてみよう」

彼は眼を細くしながら、こう呟いて、自分が長崎から江戸へ出て来たいきさつを、静かに思い返してみた。

彼の家は八百五十石の旗本であった。

父は弥兵衛、母はぬいといったが、二人ともすでに亡い。長兄の徹之助が家督を継いで、大目付の書役を勤めている。二兄の休之助は三年まえに、紀州家の甲野という家へ婿養子にゆき、それから一年して、万三郎も吉岡伊吾という旗本の家へ養子にいった。

吉岡伊吾には子がなかったが、養子をもらったら夫婦にする筈の、親類の娘が一人いた。つまり夫婦養子になるわけであったが、万三郎が吉岡へゆくとまもなく、その娘が病死し、同時に万三郎は長崎勤番を命ぜられて、江戸を去った。

紀州家の甲野へいった休之助は、長崎などへやられた弟が哀れだったのだろう、しきりに手紙をよこして、彼を慰めてくれた。

――嫁になる筈の娘が死んだそうで、可哀そうだな。

などという手紙もあった。

四

――許婚に死なれたうえに、長崎などへやられて、泣きっ面に蜂じゃないか。

休之助は口の悪い兄であった。