Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

五

初めに老人が躊躇したのを、休之助は思いだした。

「私は謀反人ではない」

「わしもそう思うだ」

「詳しい事情は話せないが、いま天下の大乱にもなりかねないような、恐ろしい陰謀を企てている者がある、私たちは少ない人数で、その陰謀を未然に防ぎ、その計画を叩き潰すために奔走しているのだ」

「わしにはむずかしい事はわからねえだ」

老人は云った。

「そんな事は知りてえとも思わねえだが、わしは昔から役人の云うことは信じねえ、役人なんて者が、この世の中にいることさえ、きしょくが悪くってならねえだよ」

五

老人の言葉があまり強いので、休之助はふと気になって訊いた。

「それにはなにかわけがあるのか」

「役人嫌えかね、――ふん、つまらねえお笑いぐさだがね」

五郎兵衛は炉へ薪をくべた。

「わしは十年めえまで、結城の町で糸屋をやってただ、松倉屋といって、五代も続いた糸屋だったし、同商売の中では第一に数えられるほど繁昌していただよ」

結城に古木甚兵衛(読者はすでに御存じである)という豪家があった。主人の甚兵衛は欲の深い性質で、金のためならどんな無法な事もする人間であった。

その甚兵衛は織屋を経営していたが、松倉屋が繁昌するのに眼をつけ、結城家の役人と結託して、松倉屋をとり潰し、その営業権を自分の手に奪ってしまった。