Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
七
「それだけか、――」
徹之助が低い声で云った。
「かよの申したのはそれだけか」
「はい、それから、――」
とつなは口ごもったが、すぐ思いきったように、かよが万三郎を取返すために提案した二つの条件を語った。
――渡辺蔵人と交換するか。
――かよをかれらに返すか。
休之助はしまいまで聞かずに冷笑した。
「ばかげたぺてんだ、そんな子供騙しを信じたのか」
「あなたにはおわかりにならないのですわ」
「あの女は逃げたいだけだ、自分がゆけば万三郎を返させる、――そんな洒落にもならないことを」
「あなたは御存じないんです」
つなは激しい調子で云った。その調子の激しさで、本来なら口にしたくないことが、すらすらと出た。
「かよさんは万三郎さまを愛しているんです、自分でもそう云いましたし、わたくしにもそれがよくわかりました、あの人は本当に万三郎さまの命の危ういことを知って自分の身に代えてもお助けしようとしていましたわ」
「――わけがわからない」
休之助は首を振り、じっと、なにかを試すようにつなを見た。
「貴女はこの朱雀調べの重大さを知っている筈だ、甲野の父上やいとは焼死しているし、花田の嫂上や松之助はまだ檻禁されたままだ、われわれはできるだけ犠牲を少なくしたいが、犠牲を少なくするために、第一義を忘れるようであってはならない、それは貴女も」