Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
二
「これは処により、季節によっていろいろ違った呼び方をしますが、ふつうは鮠、この腹のところに赤い斑紋ができると赤腹っていうので、これは川魚なんです」
「それはどうも」
万三郎は頭を掻いた。
「そいつはどうも失敗でしたな」
「しかしなぜまた湖水の魚だなんて思いついたんですか」
「どういうわけですかな、そこは自分にもわかりませんが、いや、じつを云うと私にはそんなような妙な癖があるんですよ」
万三郎は盃を取りながら話しだした。
いつか観音谷で、つなが蕗の薹を摘んでいたときのことである。そんな物は見るのも初めてで、なんという植物であるかさっぱりわからなかった。しかし早春のことだし、たぶん春の七草のどれかだと推量したので、
――それは薺でしょう。
と断言した。
似ても似つかない、蕗の薹だったそうで、つなは失笑したうえ怒った。
――でまかせを云う。
と怒ってそっぽを向いた。
「私としては閉口したわけですが、しかしわからないんだからしようがないですよ」
「怒るでしょうな、あの人なら」
「私は清国を羨ましいと思いますね、あっちでは花といえば菊のことで、そのほかの花はぜんぶひっくるめて洋花というそうじゃありませんか」