Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

六

「あら道が違いますわ」

女がふと万三郎の袖に手をかけた。そこは露月町の裏通りで、彼は芝口のほうへ曲ろうとしたところであった。

「この向うにゆきつけの家がございますの、珍しい精進料理とお酒の良いので評判ですわ」

「いっしょに来いというんですか」

「ええぜひ――」

「私はこの恰好ですよ」

「御人品は隠せませんわ」

こう云って、女はうしろへ振返った。

六

振返った女のそぶりが、なにか意味ありげだったので、万三郎もふとそっちを見た。すると、いつどこから跟けて来たものか、三人の屈強な侍がそこにいた。

他の二人は若いが、まん中にいる一人は三十がらみの眼のするどい、ひどく険相な男で、腰には殆んど無反のずぬけて長い刀を差していた。

万三郎はどきっとした。

三人の跟けて来たことに驚いたばかりでなく、その険相な男を見たとたん、どきっと胸を打たれたのであった。

――見たことがあるぞ。

彼はその男の眼を見た。その男は石のように冷たい無表情な顔で、嘲るようにこっちを見返していた。

「なるほど、そうですか」

万三郎は女に頷いた。

「腕ずくでもご馳走をして下さろうというわけですな」

「まさかいやだとは仰しゃいませんでしょう」