Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
五
「ばかだな、誰がおどかすもんか、そんなんじゃねえんだ」
五
「こりゃあ内証なんだ、おめえよそへいって話すようなこたあねえだろうな」
「聞かねえほうがいい」
万三郎はぶすっと云った。
「おらあ虎あにいのほかに知り合いはねえし、当分は宝積寺の家へも帰れない、話してえにも相手はいねえんだ、また、――話すなといわれたら、口をふん裂かれたって話しゃあしねえけれど、おらあそんな、内証ごとなんぞ聞かねえほうがいいように思う」
「わかってる、おめえの気性はわかってるよ」
虎造は独りで承知し、ぐっと酒を呷ってから続けた。
「うちの殿さまが、御三家の紀州さまへ出入りしている、ってことを知ってるか」
「いんや知らねえ」
「そうだ、おめえは土地の者じゃあなかったっけな、うん、――そうなんだぜ、お出入りというより、紀州さまとはお友達づきあいみてえなもんだってよ、ほんとだぜ」
「焼けてるぜ、虎あにい」
「おっと有難え、酒がやっとまわってきやがった」
虎造は魚を喰べ、酒を飲んだ。すきっ腹で冷えきったところへ、焼きたての肴に熱燗だからよくきくとみえる、いいきげんに酔い始め、口もほぐれてきた。
「そこで去年からのことだが」