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Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

七

――これは失敗だ、大失敗だ。

彼は玄関へ戻った。

「神妙にしろ、刀を捨てろ」

庭のほうから呼びかけた。

「もうれる途はない、神妙にしないと射殺すぞ」

「卑怯者――」

万三郎はどなり返した。

「たった一人のおれを、それほどの人数でなければやれないのか、さっきの男を出せ、あの覆面をした男はどこにいる」

「やかましい、刀を捨てろ」

万三郎は柱を楯にとっていた。しかし相手は人数が多い、問答をしているうちに、隙をみつけたのだろう、脇のほうから突然、ぴゅっ、と矢が飛んで来て、彼の肩先を射抜いた。

着物だけを射抜いたのであるが、万三郎はあっと叫び、おおげさによろめいて、どしんと壁にぶっつかり、そのまま横さまに、ずるずると倒れた。

もちろん射倒したと思ったのだろう、なにか叫びながら、三人の若侍が入って来た。

万三郎は苦しそうに呻いた。

「大丈夫か、気をつけろ」

そんなことを云いながら、三人はこっちへ近寄った。かれらの呼吸が聞えた、とたんに、万三郎が大喝し、はね起きざまに刀を振った。

「わっ、――」

悲鳴をあげて一人が倒れ、二人は身を翻して逃げた。

逃げてゆく二人のあとから、その二人とすれすれに、万三郎も外へとび出した。