Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
七
そう気がつくと、つなは口惜しさのために身が震えた。
「あなたは謀反人たちの味方になっているのね、あなたは今わたくしたちの敵なのね」
「そんなことどっちだっていいでしょ、あたしは万三郎さまのことで頭がいっぱいだわ」
かよは陶然と眼を細めた。
「二人っきりでお酒を飲んだとき、あたしも酔ったしあの方もお酔いになったわ、ずいぶんお酔いになって、ほほほほ、殿方ってみんな同じね、あんな子供っぽいお顔をしていらっしゃるのに、お酔いになると吃驚するほど色っぽいの、お顔が上気して、眼が怖いくらいぎらぎらして、そうして、――もうなにもかも夢中になってしまうらしいわ」
「嘘よ、嘘にきまってるわ」
「あたしがいやですって云うと、あの方はいきなりとびかかって、あたしを抱き竦めておしまいになったわ」
「そんなことまるっきり嘘よ」
「こうやって、――ぎゅうっと」
七
かよは自分の両手で、自分の躯を力いっぱい抱き緊めた。
彼女は自分の言葉で昂奮しはじめた。空想と現実とがごちゃごちゃになったらしい。顔には血がのぼり、眼が潤みを帯び、呼吸が荒くなるにつれて、その豊かな胸が大きく波をうつようであった。