Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

まだどこかに子供らしい感じの残った、そして強情らしい顔つきをしていた。休之助によく似ていたが、休之助よりも愛嬌があって、さも喧嘩が強そうにみえた。

「――でもはっきり見えない」

つなは眼をつむった。

印象はかなり鮮やかなのだが、思いだそうとするとぼやけてしまい、ぜんたいの顔はまるでとらえようがなかった。

「どうかあの方でないように」

眼をつむったまま呟いた。

「もしかしてあの方だったら、どうか御無事に逃げて下さるように」

それは祈りのように切実な呟きであった。そのとき階段に足音がし、ちらちらと手燭の揺れるのが見えた。

「この二階ですね、わかりましたわ、ええ大丈夫」

そう云う声が聞えた。相手はあの老女らしい、聞えたのも女の声であった。それも若い女の、華やいだ甘え声である。つなはちょっと首を傾げた。

階段を登る足音がし、手燭の光りが明るく近くなった。そうしてすぐに、若い女がそこへあがって来た。

つなははだか灯が眩しいので、眼を細めながらそっちを見た。女も格子の近くまで来て、手燭をあげながら中を覗いた。

それはかよであった。

「つなさんしばらく」

かよは艶然と微笑した。