Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

――おらあ屋敷で殿さまのお草履をつかむ人間だ、ばかにするな。

などと喚いていた。

殿さまといえば古木甚兵衛のことだと思ったので、そっと店の女房に訊いてみると、慥かにそのとおりで、彼は虎造という古参の下男だと教えてくれた。

万三郎は彼に酒を贅ってやり、また明日も会おうと約束をした。事をいそぐと危ないので、昨日は飯屋へ寄らなかったが、おそらく虎造は待っていただろう、今日も向うに呼び止めさせるつもりである。それは、こっちから近づきたがっている、と思われないための用心であった。

「炭はいらねえかね、炭の用はねえかね」

その飯屋はもうそこに見えてきた。

店の名はなんと「大めし」というのである。いかに田舎でもあんまり直截すぎる。やけになって付けたのかとも思うが、町では勉強する店として評判のようであった。

万三郎はその店の前で、わざと大きな声をあげたが、同時にぎょっとして、危うく躓きそうになった。

下女を伴れた娘が一人、向うから来るのを見たのだ。

それはかよに似ていた。

――まさか。

一度は眼を疑ったが、近づいて来るのを見ると紛れもなくかよであった。

万三郎は笠の前を下げた。