Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
万三郎は食事を注文し、虎造には酒を取ってやった。
「一昨日も贅られたのに、済まねえな炭屋」
虎造はもう酔っていた。
「だが明日も此処で会おうと云ったから、おらあちゃんと来て待ってたんだぜ、今日だっておめえ一刻もめえから来て飲んでたんだ、それなのにおめえは寄りもしねえで素通りをしようとしたぜ」
「だって虎さんはおれなんぞたあ違って、お屋敷では重い人なんだからな、そう暇があるとは思えなかったんだよ」
重い人と云われて虎造はいい心持そうであった。
「なあに、おらあ時間は幾らでもあるんだ、旦那と江戸へいっているときにゃあだめだが、こっちにいるときゃあ暇なんだ、おらあ旦那のお草履をつかむだけが役なんだからな、――まあおめえも一杯やんねえな」
「おらあ酒はごく弱いんだ」
万三郎はいかにも飲みにくそうに、受けた盃を舐める程度で返した。
「自分ではあんまり飲めねえが、飲む人の相手をするのが好きでね、まったく酒ってものは妙なもんだと思うが、ひとついいだけ飲んでくんな」
「うん、おめえの癖はいい癖だ」
虎造は大いに飲む。
「そういう癖の人間は、おらあ好きだ、これからはひとつ親類づきあいにしようぜ」