Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

ろよ」

外はいま黄昏であった。

暗くなった土堤の上に、澄みあがった夕空が高く見える。小屋が小さいので、中に坐っていても、その高い空に夕焼け雲のたなびいているのを、眺めることができた。

「又さん灯をいれてくれろや」

艫のところで夕餉の支度にかかりながら、友吉老人が云った。舟ばたを打つ川波の呟きに混って、やがてことことと庖丁の音が聞えはじめた。

万三郎は持物の包の中から、そっと刀を取出した。油皿に火をいれながら、斧田はまだ不得心そうに彼を見た。

「本当にでかけるんですか」

「日の昏れ刻だというでしょう。爺さんには然るべく云っておいて下さい、場合によっては帰りが延びるかもしれないから」

「私もいかなくっていいですか」

「斧田さんはこっちを頼みます」

万三郎は老人のほうを覗いた。

「つなさんが本当に檻禁されていて、そのためにあの女が来たんだとすると、かれらはつなさんをよそへ移すかもしれない、江戸へ伴れてゆくかもしれませんからね、――斧田さんはあの女には初めてだから、感づかれるようなことはないでしょう」

「その女だということが私にもわかるでしょうか」

「恰好ですぐにわかりますよ」