Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
休之助が走せ寄って叫んだ。
上を見ると、崖の中途から上に五人、ばらばらに離れたまま、妙な恰好で崖へへばり付いていた。
「両刀とも捨てろ」
休之助は刀をつきつけた。
転げ落ちた二人は、鼻先へ刀をつきつけられて、起きあがることもできず、はっはっと激しい呼吸をしながら腰の両刀を(鞘のまま)取って投げ出した。
休之助はその刀の鍔下を、力まかせに足で踏みつけた。一本は曲り、三本は折れた。
「動くなよ、動くと斬るぞ」
彼は二人をきめつけ、上にいる五人に向って叫んだ。
「崖の上へ戻れ、さもないとこの二人を斬るぞ、戻れ」
五人は顔を見合せた。
いっしょにうまく駆けおりることができればいいが、ばらばらでは勝ちみがない。相手は抜刀で待っているし、こちらは赭土の崖を駆けおりるのである。躰勢が崩れているからとうてい勝負にはならないだろう。
「戻れ、この二人を斬るぞ」
休之助は刀を振りあげた。
地面に転げている二人は首をちぢめた。休之助はいまにも斬りつけそうな身構えで、もういちど叫んだ。
五人は崖を登り出した。
だがそれは容易なことではなかった。霜柱で土の浮いている急斜面で、登るよりも滑るほうが多い。