Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
こう云って静かに眼をあげ、眩しそうに万三郎を見あげた。
「休之助にいさまは、あなたのほうへもわたくしのことを、書いておあげになったのではございませんでしょうか」
「ええ、そ、そうです」
万三郎はすっかりまごついて、へどもどしながら云った。
「貴女のことは兄から、いろいろ手紙に書いて来ました。それはあれなんですが、しかし、それよりもですね、――ちょっと当惑するんですが、その」
「なにを御当惑なさいますの」
相手はあやすような眼でこちらを見た。
――やい万三郎、おちつけ。
彼はこう自分をどなりつけた。迂濶なことを云う場合ではない、おちつかなければならない。五日まえに来た「つな」は、油断をするなと警告していった。
「つまり、――というのが」
万三郎は吃りながら云った。
「私は五日まえに江戸へ着いて、すぐに浜屋敷へいったんですが、甲野さんは火事をだして、みなさん焼死なすったと聞いたんですが」
「あら、でもそれは、――」
と女はけげんそうな眼をした。
「そのことは御存じではなかったんですか」
「そのこと、――というと」
「火事をだしたことも、一家が焼死したことも、みんな敵の眼をあざむくためにした計略だということをですわ」