Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

といわれていたくらいで、無関心な人々にはこの世のさいはてのようにさえ思われていた。

「いってみなくちゃわからないわねえ」

とおちづがすぐに云った。半次はおとなぶった調子で、溜息をついた。

「わからねえさ、ぬけ参りというかたちで、遠州の浜松という処までいって、そこで船に乗ってゆくんだ」

「ずいぶんだわねえ」

「そりゃあそうよ」

紀州とか箱根とか、遠州浜松などという地理的なことになると、云うほうも聞くほうもちんぷんかんで、まさに「いってみなければわからない」のだから、話はすぐに次へ移った。

「あたしも伴れてってくれるわね、半ちゃん」

「じょ、冗談云うなよ」

「いやよあたし」

おちづは半次により添って横になった。藁束のやわらかい音がし、藁のあまやかな匂いがひろがった。

「あたし付いてゆくわ、半ちゃんがいけないっていったってあたし付いてゆくわよ」

「冗談じゃねえ、遊びにゆくんじゃあねえぜ」

「知ってるわよ」

おちづは猫の仔のように、半次へすり寄って身をちぢめた。そして、極めて巧みに、片手でそっと半次を抱いた。

「でも半ちゃんだって、今夜のような事があったのに、あたしを独りで置いてきゃしないでしょ」