Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
「おめえばかりじゃねえ、おいらだっておんなじこった」
「だから世間や世間の人たちを憎んだり、いっそおっ母さんたちといっしょに死ねばよかったと思ったものだけれど、この頃では生きていてよかったと思うようになったわ」
彼女は半次の胸へつよく頬を押しつけた。
「憎んでいた町内の人たちの気持も、少しずつわかってきたの、みんな自分たちのことで精いっぱいなんだもの、厄介者までそう親切に世話のできるわけがないわ」
「大人みたいなことを云うなよ」
「あたし十五よ、半ちゃん」
「重てえからどけよ」
半次は胸の上からおちづの頭を押しのけようとした。おちづはそれを押し返し、両手できつく半次に抱きついた。
「あたし十五になったのよ」
とおちづは続けた。
「十五っていえば、もうお嫁にゆく人だってあるでしょ、世間を見る眼や、ものの考え方も変らずにはいないわ、初めはあたし半ちゃんを護っているつもりだった、死んだ弟のような気がして、弟を護るように半ちゃんを護っているつもりだったの、そのために生きる張合もできたし、ぐれて悪い女にもならずに済んだわね、――でもこの頃になってからわかったの、あたしは半ちゃんを護ってたんじゃなくて、半ちゃんに護られていたんだってことが」