Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
「なに、渡辺蔵人」
休之助は驚きの声をあげた。
そのときつなが戻って来て、支度が出来たと云った。おそろしくつんとして、万三郎のほうを見ずにそのまま炉端へ坐ってしまった。
「手をかして下さい、つなさん」
万三郎はかよを抱いて納戸へゆきながら、命令するように、そうどなった。
「着物をぬがせて傷の手当をしなくちゃあならない、女の貴女でないと困るんだ、来て手伝って下さい」
つなは黙って立って来た。
傷は左の乳房の脇で、かなり深く、急所は外れているが、出血が多量で、手当をしているうちに、かよはまた失神した。
初めつなは冷淡で、強い反感(或いは嫉妬)を示していたが、多量な血に浸っている着物や、その傷口を見るとすっかり態度を変えた。
「あなたがなすったのね」
つなは咎めるように万三郎を見あげた。
「いやそうじゃない、自分でやったんです」
「自分でですって」
「自害しようとしたんですよ」
「どうしてですの」
「あとで話します」
つなは彼を押しやった。
「わたくしが致しますわ、あちらへいらしって下さい」
万三郎はそっと立った。
五
炉の間へ戻ると、休之助が土間からあがって来るところだった。