Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
「まあそうどならないで下さい」
万三郎は微笑しながら、ようやく兄のほうへ振向いた。
「休さんはいつも私のする事が気にいらない、なにかというとどなりつける、いまもそうだ、入って来るといきなり、またか三郎、――という始末だ、まったくこいつにはうんざりしますよ」
休之助は凄い眼つきをした。
「またどなるんですか」
万三郎は肩をすくめた。休之助はけんめいに怒りを抑えつけ、できる限り穏やかな、むしろあいそのいい調子で云った。
「さあ、――頼むよ三郎」
万三郎はにっと笑った。休之助の閉口したようすに、すっかり気を好くしたのである。彼は坐り直して云った。
「花田の兄さんがやったんだそうですよ」
「兄上がどうしたって」
「こうなんです、――」
万三郎は話しだした。
聞いているうちに、休之助は眼をきらきらさせ、拳を握り、顔を赤くし、前へ前へと乗り出した。
「そうか、そうか、伊豆さまを動かしてくれたか、やっぱり花田の兄上だ」
休之助は息をはずませた。
「おれが別れて来るときには、あまり頼みになりそうもない話だったが、――しかし、紀州家で国許へ査察使を出したというのはどういうことだ」