Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
それでふと思いだし、
「休さん気をつけて下さい」
と万三郎はどなった。
「石黒半兵衛がいます、彼には手を出さないで下さい、彼とやってはいけませんよ」
休之助の手を振るのが見えた。
万三郎は梯子を登り、毀した窓から庫の中へ入った。中はくすぶった煙がいっぱいで、どこがどうなっているかわからなかった。初めは火を放けた藁を投げ込んだので、中までは入らなかったのである。
彼は煙に咽せて咳きこんだ。
壁に沿って、なにかの箱が積んである。彼はその箱を足掛りにして、中へおりてゆこうとした。するとそのとき、ふいに妙な音が起こり、充満している煙の中に火の舌が見えた。
音は「しゅしゅっ」というふうに聞えた。万三郎は反射的に身をひいた。
――こいつは火薬だ。
そう直覚したのである。
これまで、どうしても火薬の所在がわからなかった。それが此処だったのであろう。火の燃えあがるのが遅かった理由はわからないが、その音で火薬に相違ないと思った。
「――いけねえ」
われ知らず叫びながら、殆んど梯子をすべりおりた。
「煙硝に火がつくぞ」
と彼は絶叫した。
「みんな伏せろ、爆発するぞ」
そして自分もまるくなって走り、柵の処までいって地面に伏した。