Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
「貴方がそんな、破滅だなどと仰しゃるのは違うと思います、貴方は無神流の師範として、立派に道場の持てる腕がおありだし、此処と縁を切ればいつでもその途がひらけるではありませんか、どうかそんなにつきつめたことをお考えにならないで、――」
「黙れ、黙れ黙れこの青二才」
半兵衛は歯を剥いて怒号した。
まっ赤な焔の光りを半面にあびて、彼の相貌はまさに悪鬼そのままにみえた。
「きさまは、このおれから、二つの大事なものを奪った、おれが生涯の夢にしていたものを、二つともおれから奪い取った」
「一つはこの陰謀ですね、が、もう一つはなんですか」
「刀を抜け」
「貴方の大事なもの、――」
云いかけて、万三郎はあっと口をつぐんだ。つい先夜、半兵衛は酔って、渡辺蔵人に対していろいろと怒っていた。そのなかで、
――あいつはかよどのを。
と云うのが聞えた。蔵人がかよをひきつけて、酒宴しているのを怒っていたらしい。
――そうか、かよさんか。
万三郎は初めて了解した。
新銭座の「ぶっかけ」の前の出来事からこっち、いつもかよの側には半兵衛がいた。それは、(誇張して云うと)まるで主人に仕える忠実な番犬のようにさえみえた。