Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
の名にふさわしいものであった。
逞しい四十男(ついに名はわからなかった)が躯じゅう爪痕だらけになり、
――このあま、殺してくれるぞ。
などと逆上し、しまいにはぐるぐる巻きに縛ったままで置かれた。
するとおちづは縛られたままで、気持の悪いのをがまんして、着物から夜具から畳まで汚した。そのために、家の中がすっかり臭くなったくらいであった。
――しようがない、叩いて売っちまおう。
かれらは諦めた。
うまく仕込んで高く売るつもりだったらしい。が、とうてい手に負えないとみて、十日ばかりすると他の男に売り渡された。
「それが鬼六だったのね」
「そうじゃあないんです、鬼六は五人めにあたしを買った男なんです」
「まあ五人めだって」
松吉姐さんは口をあけて、吃驚したようにおちづを見た。
「そのあいだずっと暴れとおしたのかえ」
「片っ端から傷だらけにしてやったわ」
おちづは片手で、左の乳房をそっと押えた。
「がりがりひっ掻いてやるし、噛みつくし、蹴っとばす殴る、――みんなあたしの十八番ですもの、三人めのやつなんか耳へ噛みついて耳たぶを食い切ってやったわ」
「――呆れたひとだこと」