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Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

六兵衛は深川八幡前に住んでいた。もう七十にちかい老人であるが、女衒としては、その冷酷と無情と、同時に女をみる鑑識の慥かさとで、その世界では知らない者がないくらいだった。

松吉は六兵衛の家を訪ねた。

「運だったわねえ、――」

とおちづは化粧を終って、肌を入れながら、大人びた口ぶりでそう云った。

「あたし姐さんを見たときすぐに、ああこの人はあたしを助けてくれる、って思ったわ」

「とびついたじゃないの」

と松吉は微笑しておちづを見やった。

「いきなりあたしにとびついて、助けて下さい、ってどなったじゃないの、――あたし吃驚してとびあがりそうになったわ」

「ごめんなさい、あたし夢中だったんです、この人に助けてもらえなければ、もうだめだって気がしたんです」

「そう云われると辛いわ」

「あら、なあぜ姐さん」

「だって助けたと云ったって、このまま堅気にさしてあげられるわけじゃなし、やっぱり芸を覚えて稼いでもらわなくちゃならないからねえ」

「そんなこと覚悟のうえよ」

おちづは向き直って、ひどくまじめな顔つきになって云った。

「あたし鬼六の処へ来るまでに考えたの、あたしのような者はお店の女中奉公もできないし、といって十五にもなってみれば、いつまで街をうろついてもいられない、なにか生きてゆくしょうばいを身に付けなければならない、それならいっそ