Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

好きな人もないし、男なんてけだものだと思っていられるうちは、あんたの云うようにやれるだろうけど、いちど好きな人ができ、情愛というものを知ってしまうと、――女はもうだめ、こんどはまた泣く番がまわってくるのよ」

おちづはじっと姐さんの顔をみつめた。

「――姐さんにも、好きな人がいるのね」

「そりゃあおまえ、あたしだって女だもの」

「――いまでもいるの」

「あたしはあんたに話してるんじゃないの」

松吉は釵で頭を掻いた。

「半ちゃんていう子が帰って来て、あんたと会うことができたにしても、お互いに年も若いしすぐいっしょになれるわけじゃない、あんたはあんたで稼ぎ、半ちゃんにもなにか職を覚えてもらって、さきを楽しみに辛抱するんだわね」

「ええ、そうするつもりです」

おちづは仔細らしく頷いた。

「だからあたし、半ちゃんが帰ったら此処へ来るように半ちゃんの知っている家へ頼んでおいたんです」

「あたしもできるだけのことはしてあげるつもりよ、――このしょうばいには、あんたなんぞの知らない辛いことがいろいろある、それも八方から義理に絡まれて、泣いても泣ききれないような事さえあるんだよ」