Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
――とうまるでは囚人を護送するとうまる駕籠を連想するから、これはいやがらせと思うのもむりはないであろう。――しかしその東麿老人の妻女が、万三郎の世話をしてくれるのであった。
万三郎はかよの住居へいった。
かよは障子をあけ放した八帖にいて、とり澄ました恰好で、謡曲をうたっていたが、万三郎が来たのを見ると、ぴたっとうたいやめ、てれたように、首をすくめながら舌を出した。
「いまうたっていた謡曲は、なんというんです」
「いやですわ、謡曲だなんて」
かよはまた首をすくめた。
「わたくしのはうろ覚えで、ひとのうたっているのを聞いたんです、わたくしには謡を稽古するような時間はございませんでしたわ」
「それにしては上手じゃありませんか、なんというんです」
万三郎は広縁に腰をおろした。
「なぜそんなに気になさいますの、御存じなのでしょ、三郎さま」
「知らないから訊くんですよ」
「あらそうかしら、――」
こう云って、かよはいたずらそうに、横眼で彼を見た。
――ふしぎな女だ。
万三郎は心のなかで思った。
初めて築地飯田町の「増六」で逢ったときから、敵味方に分れながら、どこかに深いつながりが感じられた。