Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
せた。
「さあお願いしますわ」
かよはあまえた声で云った。
「好きでもなんでもなければ、このくらいのこと平気でしょ、三郎さまがわたくしを愛していらっしゃるとすれば、それは無理かもしれませんわ、愛している女の肌にじかに触るなんて、そうたやすくできることじゃありませんもの、――でも愛してもいず好きでもなければべつですわ、石かなにかに触るのと同じですもの、ねえそうでしょ」
「つまり、――つまり貴女は私をからかっているわけですね」
「いいえ、かよが好きでないという、証拠を拝見したいだけですわ」
「私は、云っておきますが」
「おできになれませんの」
かよはあらわな胸を彼のほうへ向け、眼を細めて、斜交いにじっと見あげた。
五
「できないことがあるものか」
万三郎は下腹へ力を入れた。
「お望みならばやりますよ」
「ではどうぞ、まえのを剥がして、そのあとをよく拭いて、それから新しいのを貼って下さいましな」
「なにそのくらいのこと」
かよはもっと衿をあけた。
傷は左の乳房の下にあった。膏薬を貼り替えるには、乳房を少しあげなければならない、かよは知らん顔をしていた。
――こうなれば男の面目だ。