Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
――つまり岡さまの助力で「ちづか」を開業したのであるが、今でも舟は三艘あり、客に求められれば舟を出すこともできる。船頭は向う岸の「船宇」から借りるわけで、岡さまが「升屋」へゆくときには、たいていのばあい舟であった。
「――おお袖、おお袖、お袖はたいて、おさらーい」
おちづは熱心にお手玉をやっていた。
「うまいのねえ、ちいちゃんは」
お民は感に耐えたように、
「あたしおお袖のとき、どうしてもうまく集まらないのよ」
「せんはもっとうまかったわ」
おちづは鼻をうごめかす。
「町内のお絹ちゃんだってあたしにはかなわなかったのよ」
「お絹ちゃんて、――」
「酒屋の子よ、お金持だもんだからいつも威張りくさってたわ、あらいけない、――さ、こんどはたあちゃん」
「あらあたし」
当然の番でもお民はもうにこにこする。おちづはそれをいかにも可愛そうに眺めながら、おかみさんに話しかけた。おかみさんは大きな長火鉢の前に坐って、酒の燗をつけたり、出入りする女中たちになにか命じたり、また絶えず注文の品を書いたりしていた。
「ねえおかみさん、旦那の岡さまって、神さまみたいだわね」
「神さまだって、――」