Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
侍は吹矢の筒で半次の顔をさした。ひどく狎れ狎れしい、人好きのするようすである。彼は跼んで、まだ暴れている雀を拾いあげ、羽根を縫っていた吹矢を抜いた。
「そら、よく見てくれ、針には一滴の血も付いちゃいないぜ、羽根を縫っただけなんだ、これでも可哀そうか」
彼は雀を二人に見せた。侍の手の中で、雀は不安そうに身をもがき、嘴で侍の指を噛んだりした。半次もおちづも、そっと手を伸ばして、この雀に触ってみた。すると雀の赤い色が指に染まりそうに思われた。
「ほんとだ、傷もねえや」
半次は感心して頷いた。
「どうしてこんなふうにできるんだろ、小父さん吹矢の名人かい」
「まあそんなもんだ」
侍は笑いながら云った。
「それより坊主、おまえこんな処に遊んでいていいのか、誰かに使いを頼まれているんじゃないのか」
「使いがなんだって」
半次はぎょっとして、眼の色を変えた。侍は云った。
「そこの屋敷の河原という人のところへさ、なにか使いを頼まれて来たんだろう、そうじゃないのか」
「おめえ誰だ」
「そんなに驚くなよ」
侍はまじめな顔になった。
「おまえのほうでは知らないだろうが、おれは河原さんの下役だからおまえを知ってるんだ、大事な使いの途中で遊んでいちゃだめじゃないか、それに、――そこにいるその子はどうしたんだ」