Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

う」

「では、――あの方は」

とかよはにわかに緊張した。

「あの方は、あのまま帰っていらっしゃらないんですの」

「だからまいったんですわ」

つなは唇をふるわせた。

「聞かせて下さいまし」

かよも膝を進めた。

「いったいあの方はどこへ、どんな事をしにいらっしゃいましたの」

「深川洲崎の料亭へ、渡辺蔵人の使いとして、ゆかれました」

「まあ乱暴な、――」

かよは顔色を変えた。

「どうしてそんな無謀なことをなすったのでしょう、升屋の会合はたいそう厳重で、一味の者でもなかなか出席は許されませんのよ、まるでこっちから罠へとび込んだようなものですわ」

二

「それでそのとき、あの方は独りでいらしったのですね」

かよの問いに、つなは黙って頷いた。

「なんということでしょう」

かよは両手を打ち合せ、それを固く握り緊めた。つなよりも昂奮し、いたたまれないというふうに立って来た。

「それでいったいどうなさるおつもりですの、観音谷の事もあるし、ぐずぐずしていると取返しのつかないことになりましてよ」

「ではかよさんは本当になにも御存じないんですのね」

「わたくしがなにか知っていると思っていらしったの」