Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
「捉まえて置いたって、あの人はそれほど役に立ちはしません、また仮に少しぐらい役に立つにしても、万三郎さまと交換ができれば充分じゃございませんの」
「あなたのいい方法というのはそれだけですの」
「もしそれでだめなら、あたしを代りにやって下さい」
「あなたをですって」
「あたしなら助けてあげられます、あたしならどんなことをしたってきっと、――つなさん、待って下さい」
歩きだしたつなのあとから、庭へ(はだしのまま)とびおりたかよは、走っていって前へ立ち塞がった。
「あたしを信じて下さい、ほかの事とは違います、万三郎さまのお命にかかわる大事なばあいですから、お願いですつなさん、あたしを代りにやって下さい」
「そこを通して下さい」
つなは蒼い顔で云い返した。
「そんなことは兄上たちが御承知でも、それはわたくしがお断わりします」
三
「あなたが断わるですって」
かよは前へ出た。
「それはどういう意味ですの、あたしが裏切るとでもいうんですか」
「裏切らないという証明がおできになれて」
「あの方の命が危ないというときに、まだそんなことを疑っていられるのね」
「万三郎さまのことを口になさらないで下さい、あなたは関係のないことですから」