Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

を愛してあげ、幸福にしてあげられるのは決してあなたじゃあありませんわ」

「それは自分だというわけね」

つなは冷やかな眼で、軽侮に耐えぬもののようにかよを見、そして唇で笑った。

「かよさんなら万三郎さまを仕合せにしてあげられるというのね、ほほほ、試してごらんなさい、わたくし拝見させて頂くわ」

「できないと思うの」

「わたくしあなたと張合うつもりなんかありません、あなたに自信があるならやってごらんになればいい、わたくし黙って拝見していますから」

「その言葉を忘れないでちょうだい」

かよはそう叫んだ。つなは顔をそむけ、相手の脇をすりぬけて、そこを去った。

――冷たくて情のない女。

かよの言葉が耳の中で喚くように聞えた。

――高慢で見栄坊で負け嫌い。

――訓戒したり叱ったり、やりこめたりすることはできるだろう、しかし愛することはできない。

ひと言ひと言が、棘でも刺されるように、するどい痛みで胸を突刺した。

「――ああ」

と歩きながらつなは呻いた。

「なんという女だろう、なんといういやな、下品な女だろう」

四

和泉屋の寮へ帰るまでつなの昂奮は鎮まらなかった。

――あの人の云ったことは本当かもしれない。