Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
渡し舟をあがってから、つなはそっと口の中で呟いた。
「いつもあの方の弱点にばかり眼をつけて、あげ足を取るようなことをして来たようだ、もっと良いところを認めて、劬ってあげ、慰め、励ましてあげるようにしよう、――悪いところも欠点も、無条件でうけいれることが愛することだ、というのは本当かもしれない、それが女の愛というものかもしれない」
渡し場へあがると真崎稲荷で、そこを左へまわってゆくと、舟入り堀に沿って和泉屋の寮がある。つなは気をとり直して、足早に裏木戸のほうへ近寄っていった。
すると、その木戸の外に、色街の者と思われる少女が一人、なにやら躊いぎみに往ったり来たりしていた。
「なにか御用ですか」
つなが声をかけると、少女は吃驚して振返った。そして、つなを見るなり、あっと声をあげた。
「あっ、甲野さまのお嬢さま」
「――だあれ、あなたは」
「おちづです、いいえあの、半ちゃんの友達のちい公です」
「――まあ、あなたが」
つなは眼をみはった。
金杉の半次といつもいっしょにいた娘、乞食のような恰好をして、街をとび歩いていたちい公。髪をきれいに結いあげ、着物も帯も派手な物ではあるがきちんと着付けている。