Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme
「家をあけたことは悪うございますけれど」
とおちづは勇ましく答えた。
「でも人間ひとりの命にかかわるばあいですから、話をすれば堪忍してくれると思います、そして、――姐さんは旦那のなさる事はなんにも知りませんし、旦那の岡さまも、あたしがこんなことをしたとは御存じないんですから、なにも面倒なことは起こらないと思います」
「――そうかもしれない」
徹之助はなお不得心なようすで、おちづの眼をじっとみつめながら云った。
「だが芸妓にならずとも、たとえば私の家に行儀見習いとして奉公し、半次は半次でしかるべき職を身につける、という方法もあるではないか」
「有難うございますけれど」
とおちづは微笑した。
「あたし姐さんに恩がありますから、――悪い人買いの手で、どんな辛いめにあわされるかわからないとき、姐さんに助けられた恩がありますから、いまここで姐さんの家を出るわけにはいかないんです」
「それは違う、おまえがそれを恩義だと思うのはよいが、もともと人間を金で売り買いするというのが道に外れたことで、それだけの金を返しさえすれば恩も義理もない筈だ」
「――そうでしょうか」
おちづはまともに徹之助の顔を見た。