Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

Lesen Sie 風流太平記 (ふうりゅうたいへいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 244.473 Zeichen · 487 Bildschirme

Aozora Bunko

「海の魚だと思いますか川魚だと思いますか」

「それですよ」

万三郎は手を振った。

「ちょいと見ると川魚のようですがね、人はよくそこで間違えるんですが」

「すると海のほうですか」

「いやそれがそう簡単じゃないんでね、川魚でなければ海の魚っていう、こいつはそう簡単なもんじゃなかったようですよ」

「川でなし海でなしとすると」

兵馬はわざと眉をしかめる。

「ああ、では湖水の魚ですな」

「そうですそうです」

万三郎はあいそよく笑う。

「こいつはその湖水でとれた魚ですよ、たしかに間違いありません、湖水の魚です」

「名まえはなんといいますかな」

「その名ですがね、こうっと」

またしても仔細らしく首を捻るので、兵馬はついに笑いだした。

「なんです、なにが可笑しいんですか」

「いやまあ、ちょっと笑わしてもらいましょう」

「つまり、間違えたわけですか」

「まあそうですな」

と兵馬が云った。

「これは赤腹という魚ですよ」

二

「――まさかね」

万三郎はそら笑いをした。

「私が知らないと思って、赤腹だなんてそんな、――中谷さんも人が悪いですな」

「いや本当です」

あんまり笑ったので、兵馬は涙を拭きながら坐り直した。